ラグビーでは、前進するためには、パスをしながらボールを持っていきますが、横か後ろにしか投げることが出ません。
しかし、キックをすることで、前に進むことが出来、また、得点をすることができます。
効果的なキックを使うことで、体格や体力だけではない、戦略的なゲーム性が加味され、勝負を左右することになるのです。
1.キックの種類
1.ゴールキック
ラグビーでは、直接ゴールを狙えるキックとして、3種類のキックがあります。
1.ペナルティキック
相手が反則をした場合に得られるもので、その地点の地面に置いて蹴るものです。
ゴールが狙えない場合は、タッチラインを切るように蹴って、攻撃権を有したまま、前進することができます。
2.コンバージョンキック
トライをした後に、ゴールを狙う権利が得られます。
トライをしたポイントからゴールラインに垂直に引いた線上ならどこでも置いて狙えます。
時間が無い場合は、ドロップキックを選択することもできます。
それは、セットしてから1分30秒以内に蹴るという制限があるからで、風の強い日などは、そういう選択をする方が良い場合があるということです。
3.ドロップキック
攻撃中に直接ゴールを狙えるキックとしてドロップキックがあります。
ボールを一旦地面に落してから蹴る方法です。
2.攻撃に使われるキック
1.プレースキック
ラグビーでは、地面にボールを置いた状態で蹴るキックを総称してプレースキックと言います。
主にゴールを狙う時のコンバージョンキックで使います。
前半、後半の試合開始の時にもこのプレースキックが使われます。
以前は、得点後の試合再開の時には、このプレースキックで始まりましたが、現在は、ドロップキックで始まるようになりました。
2.ドロップキック
試合中にゴールを直接狙う時にも使いますが、主に、ドロップアウトして、22メートルラインから試合を再開する際に使われます。
3.ショートパント
バックスの攻撃時に、相手の背後にスペースがあり、そこに蹴って、自分がキャッチできるように小さく、相手の頭を越える程度に蹴るものです。
4.ハイパント
主に、ハーフ団のスクラムハーフか、スタンドオフが相手バックスの背後の深い所に高くボールを蹴り、陣地を大きく挽回するキックです。
5.グラバーキック
バックスのラインが詰まった場合に、相手の背後にグラインダーの球を転がして、味方に取らせるキックです。
楕円形の球を縦回転に転がし、或るポイントで胸元近くまで跳ね上がるように蹴る必要があります。
6.スクリューキック
タッチキックをする際に球に回転を加えて距離を出す蹴り方です。
7.ドリブル
地面にあるボールを短く蹴りながら前進するやり方で、身体からあまり離さないようにコントロールする必要があります。
4.まとめ
ラグビーでは、特に、相手チームより身体で劣っている時に、キックを上手く使うことで、効果的に陣地を前方に確保でき、フォワードの疲労も少なくすることで、パフォーマンスを維持できることがあります。
また、力が拮抗している場合に、得点源として、キックの重要性があり、キックの精度で勝負が決まることがあります。
個人の練習でキックの精度は上達します。
バックスだけでなく、フォワードもキックの練習をすることで、攻撃のバリエーションも増えます。