ラグビーに慣れてきて試合も何回かこなすようになると、「タックルしてもなかなか倒せない」という悩みを持つ人も少なからず出てきます。

あなたはいかがでしょう。試合で思った通りに相手を倒すことができていますか。ここでは、タックルしても倒せない原因とその対策を考えます。


1.原因の大半は「当たれていない」

タックルの練習の記事でも触れた通りですが、相手を倒せない理由のほとんどは、「ボールキャリアーに自分から当たれていない」ことです。

スピードに乗って走ってくるボールキャリアーは、いざタックルしようとするととてつもない圧力があります。

ラグビーの選手は特に体の大きい選手が多いですから、そのプレッシャーたるや相当なものですね。

したがって、特に初心者の多くは、必ずと言っていいほど「受け身」になります。

つまり、相手が当たってくるのに合わせて、つかみはするものの、そのまま後ろに受け流してしまう状態です。

相手は走ってくるわけですから、腕を回してつかんだとしてもそのまま勢いで外されてしまうことが多く、運よく倒せたとしても相手は前に倒れることになりますから、ボールをそのままつながれやすく、また大したダメージも与えることができません。

よって、相手の正面からにしろ横方向からにしろ、こちらから確実に「ヒットする」ということは常に意識しなければなりません。

反対に、勢いに乗って走っているプレイヤーにしっかりヒットできれば、意外にあっさり倒せることもあるのです。

走っている人がほんのちょっとつまづいただけで転ぶのと同じです。


2.しっかりとヒットするには

おそらく、試合に出るようになっているころには、ダミーやタックルバッグを使った練習は一通りこなしているはずです。

まずはダミーなどに思いっきり当たりながらタックルするイメージをもう一度復習してほしいですが、それ以上に、人に対してタックルするコツをつかむほうがいいでしょう。

毎日ではなくても、週に2回ほどでいいので、タックルを入れたミニゲームを取り入れてみてください。

苦手な人は、おそらく最初はことごとく相手を倒せないことでしょう。

ダミーやタックルバッグは人ではありませんから、常に動き、また向こうから当たってくることさえある「人間」に対してのコツは、練習でつかんでおく必要があります。

タックルされるほうも、ボールをどこに置くかなど、身に着くことはたくさんあります。

人数が少なければ、3対3、5対5などでもいいでしょう。

ミニゲームは練習としてもとても面白いと思いますので、ぜひやってみてください。


3.腰から上にヒットしていると倒せない

もう一つ、タックルで相手を倒せない要因として多いのが、高い位置にタックルに入ってしまっていることです。

ボールを殺そうとするのはいいのですが、そもそも高い位置では相手の勢いに負けることがほとんどです。

特に高校生など、ラグビーの基本を身に着けることを重視すべき段階の皆さんは、まず相手の腰より下にタックルに入ることを徹底してください。

ボールを殺すのは、そのあとフォローしてくれる味方に任せればよいのです。

2015年のラグビーワールドカップでも、日本代表は徹底して低いタックルをしていましたね。

皆さんが将来日本代表で活躍するとしたら、ほぼ確実に「低いタックル」は求められます。

そのときのことも見据えて、ぜひ低い位置へのタックルを上達させましょう。


4.まとめ

ラグビーの守備ではいかに相手のボールのつなぎを断ち切るかが重要ですから、相手を倒せないことはつまり相手に延々とボールをつながれてしまい、どんどん自チームが不利になることを意味します。

ラグビーは、漢字では「闘球」です。闘志を忘れず、受け身にならずに、守備をしているときでも相手を「攻め立てる」気持ちを持ち続けましょう。