バックスの中央最前線にいるのが、センタースリークォーターバック(センター)です。

背番号は12番と13番。ウィングも含め、全体を8列に分けたときの6列目に当たるのでスリークォーターバックと呼ばれます。

ディフェンスではタックルをする機会が多く、攻撃では何度となくポイントを作る核になりながら、最後はウィングのトライをアシストすることが多いポジションです。

地味で縁の下の力持ちと言えますが、タックルと突破力、スピードとパワー両方が必要とされる、バックスの総合力を決めるポジションです。


1.何でもできる器用さと強さが必要

SOからのパスを受け、縦に突っ込んだり、オープンに長いパスをしたりと、様々な工夫でチャンスを広げるのが仕事です。

相手バックスに対しては攻撃でも守備でもまず最初にコンタクトすることになるのがセンタースリークォーターバックであり、精度の高いタックルと、強靭な足腰、肉体が必要とされます。

特にフォワードと大きく異なるのは、バックスはスペースがあるところでコンタクトするので、フルスピードで当たり合うことが多いというところでしょう。

それだけに、精神的にも強く、何でもこなせる器用さが必要です。

かつては左右で分けるのが主でしたが、最近は二人目のスタンドオフとしても機能できるゲームメーカータイプを内側に、ウィングのようにスピードがあるタイプを外側にと、より能力に特化した分け方をするのが主流になってきました。

いずれにしても、ラグビーで必要な技術をすべて高いレベルに上達させる必要があるポジションです。


2.ボールを持ちながらの瞬時の判断が必要

攻撃時のセンタースリークォーターバックは、スピードに乗った状態でスタンドオフからボールを受けます。

その状態で、相手守備との距離、相手守備の形を瞬時に解析し、外にパスするか、自ら突破するか、敢えてポイントを作って次のフェーズに移るか、または相手バックスラインの裏にキックするか、これらを一瞬のうちに判断しなければなりません。

ラグビーはプレイヤー一人一人の瞬間的な判断が必要なスポーツですが、センタースリークォーターバックはそれを試合中何度も求められるポジションです。

スタンドオフ同様、自分だったらどうするか、という視点を持ちながら、ラグビーの試合をたくさん観戦するのが上達の近道でしょう。


3.コンタクトプレーのスペシャリスト

前述のように、相手バックスにボールが展開したときは最初にコンタクトが発生するのがセンタースリークォーターバックの守備範囲であり、自チームの攻撃でも、相手のラインを崩すにはまずセンターが突進してポイントを作ります。

試合中に幾度となくコンタクトプレーを強いられるため、身体的な強さは必須です。

最近はフォワード並に体の大きな選手も増えたため、バックスの最前線での攻防はかなり迫力ある激突でもあり、ラグビーの醍醐味を味わえるシーンでもあります。


4.まとめ

ラグビーの猛々しさを象徴するプレーに関係することの多いセンタースリークォーターバックは、一度経験すると最もラガーマンらしさを味わえるポジションだという選手も少なくないようです。

上達に向けてはまず何よりも強靭な体に鍛え上げることが必要で、タックルなど含めコンタクトプレーについてはよく研究しておく必要があります。

いわばスタンドオフとウィングの両方の要素を併せ持つため、ラン、パス、キック、タックル、コンタクトとすべてを高めなければなりませんが、それだけ充実感を得られるポジションでもあります。