準備運動でも運動後のケアでも意外に大切な役割を果たすストレッチは、スポーツの世界ではもはや常識となっています。

加えて、ストレッチには柔軟体操のような要素もあり、身体を柔らかくして関節可動域を大きくすることで、怪我を予防するという効果があります。

ここでは、ラグビーの練習前後あるいは試合前後に行いたいストレッチの主なものを紹介します。

それぞれ、息を吐きながら伸ばし、伸びたところで20秒ほどキープし、伸ばしている間は、息を止めずに自然に呼吸してください。

左右両方行うようにしましょう。


1.まずは「下半身」

ラグビーは常に走り続け、しかもタックルなどコンタクトプレーもあるスポーツで、捻挫や太腿の肉離れなどはほとんどの選手が経験することと思います。

これらは、ストレッチで柔軟性を高めることである程度予防できますし、疲労の蓄積によっておこる要素もあるので、その疲労を取り除く意味でもやはりストレッチは効果がありますし、怪我を予防することはラグビーの上達にもとても関わってきます。

下半身のストレッチには特に十分な時間を摂りましょう。


1.大殿筋(尻の筋肉)

体育座りのように膝を曲げて座り、片方の足首をもう片方の太腿に乗せます。

身体の横に手をついて支えながら、身体を足のほうにゆっくり近づけると大殿筋が伸びるのがわかります。


2.ハムストリングスからふくらはぎ

座った状態で足を延ばし、片方の足を引き寄せて、かかとを股間にぴったりと付けます。

伸ばしている方の足のつま先に両手をつけるように伸ばして、その姿勢をキープしてください。

柔軟な人は、かかとのほうまで手を伸ばしても構いません。


3.股関節

足を最大限まで開き、そのまま上体を地面に倒します。


4.腓腹筋・ヒラメ筋(ふくらはぎ)

足を肩幅より少し開いて、手を地面につき身体が橋のようになった状態で、足裏をべったりと地面につけ、かかとを浮かさないようにします。

20秒伸ばしたら、今度はその状態で膝だけを曲げてくると、アキレス腱が伸びます。


5.ハムストリングス(2回目)

立った状態で足をクロスし、後ろ側になっている方の足と同じ側の手を、その足のつま先につけるように伸ばします。

右足を前にして足をクロスしたら、左手で左足のつま先を掴む、というイメージです。


6.股関節

立った状態から足を横に開けるところまで開きます。

手をついても構いませんので、出来る限り開いた状態で20秒キープしてください。

ラグビーは低い姿勢でラックに入ったりタックルしたりしますので、股関節の柔らかさはあるに越したことはありません。


2.上半身


1.体幹ひねり

寝そべった状態で、腰をひねるようにして片方の足を反対側の足の横に持ってきます。

膝が地面につくようにするといいでしょう。

その際、上半身は両肩を地面から離さないようにし、顔は足と反対側を向くようにするとより気持ちよく伸びます。


2.体側

座った状態で足をひらき、片方の足のほうに身体を倒します。

右側に倒したら、右足のつま先を左手でさわるイメージで伸ばしますが、このとき左手は身体の横側にぴったりとつけ、頭越しにつま先を触りに行く感じだとよく伸びると思います。


3.腕から肩

右腕を前に出し、左手で右ひじを抑えて、グイッと胸に引き寄せると、肩周りの筋肉が伸びるのが分かります。

左腕も同様に行いましょう。


4.広背筋上部

腕を前に伸ばして手を組み、そのまま背中を丸めるようにしながら手を前に突き出すように伸ばします。

背中の上の部分が伸びるのがわかるでしょう。


5.首と僧帽筋

他のスポーツにはない要素がラグビーにあるとすれば、首を鍛えるということでしょうし、ケアも必要です。

頭を右側に倒し、右手で頭を押さえてゆっくり伸ばします。

このとき、左の肩を上げたり下げたりすると、効果的に伸ばすことができます。

もちろん、反対側も同様に行って下さい。


6.大胸筋

身体の後ろで手を組み、伸ばしながら上に引き上げるようにすると、胸の筋肉が伸びるのが分かるでしょう。


3.まとめ

ストレッチは手軽にできる運動ながら、柔軟性を高めたり疲労を軽減する効果のある非常に優れた運動です。

怪我をしないことは一流プレイヤーの条件、上達するために一番重要なこととも言われています。

ラグビーでは特に怪我の予防が大切ですから、練習のない日でも家でストレッチを行うようにしてください。