ラグビーの怪我の中で一番起きやすいのが、この脱臼です。

タックルを掛けた方のタックルポイントがずれ、相手の腰や膝などの硬い部分に肩が当たり、強いコンタクトを受けた結果、脱臼する場合があります。

タックルを掛けられた方も、バインドされ、地面に肩から落ち、体重が掛ってしまい、外れてしまうことがあります。


1.脱臼をしないタックルの掛け方


1.スマザータックルの技を身につける

スマザータックルのやり方を覚えれば、少なくとも、肩を使わなくても、相手の前進を止めることができます。

やり方は、相手の動きを見極めて、相手の勢いをそのまま利用します。

柔道の外掛けに近い形で、相手の身体を受け止め、身体を廻して、足を掛けて倒します。

相手の前進してくる強い力を廻すことによって、自分の身体への衝撃を少なくすることができます。

スマザータックルが上達すると、相手の動きに合わせて、懐に飛び込み、相手を廻してダウンさせることができるようになります。


2.サイドタックルの技を身につける

スマザータックルや、リアタックル(後方からのタックル)もそうですが、それらは、攻撃的なタックルではありません。

とにかく、止めるという一点で、最低限のタックルです。

対格差が激しい場合などは、単純にフロントタックルを仕掛けても弾き飛ばされるだけという場合がありますので、スマザータックルを使うことで、ボールダウンをすることができるということです。

しかし、ゲインラインを突破されたくない、攻撃的なタックルをしたい場合は、フロントタックルよりも、サイドタックルをすることで、より安全にタックルをすることができます。

フロントタックルの位置から少し内側にずらしてから遅れ気味に相手に近づいていきます。

タックルポイントを相手の腰の上、下腹部をめがけて、下から上に突きあげるように勢いをつけてタックルをします。

肩は相手の柔らかい部分に当たりますので、脱臼の危険性は少ないのです。


3.フロントタックルの場合は、相手の半身を狙う

フロントタックルをする場合は、強い衝撃を受けますが、より軽い衝撃を受ける箇所を見つけることで、フロントタックルも比較的安全に実行することができます。

相手の太ももを狙う場合、内側の足を狙います。

つまり、右側に相手がいる場合は右肩で当たり、相手の右足の太ももを狙います。

コンタクトする瞬間に左にずれることで、右肩が相手の右足の太ももに入ります。

当たった瞬間から、バインドしながら、頭を相手の尻、もしくは腰に付けて、回転します。

スマザータックルと同じ要領ですが、回転することで、衝撃力を逃がしながら、バインディングで相手を倒します。


2.受け身の取り方を身につける

ラグビーでは、タックルを受ける方も脱臼する場合が少なくありません。

バインドされて、倒れる時、落ち方の角度が悪いと、肩に局所的に力が掛り、脱臼にいたるというわけです。

柔道を経験されている方はおわかりでしょうが、倒れる時に、丸く倒れるということで、衝撃を身体全体で受け流すことができるのです。

身体に力を入れて、衝撃を受け入れる姿勢を準備し、次に、腹筋に力を入れて、背中を丸めて、地面に落ちるようにしてください。

この受け身が上達すると、自然にできるようになりますし、そうした上でも、ボールを繋ぎ、パスができるようになります。


3.まとめ

ラグビーに限らず、一度、脱臼、もしくは、亜脱臼をしてしまうと、2か月から半年近く、ラグビーができなくなってしまいます。

また、「外れくせ」というのが付いてしまい、前回よりも軽いコンタクトであっても、外れてしまうということがあります。

最終的には、やはり、筋肉を増やしていくことで、脱臼をしにくい身体に変えることができます。