最近のラグビーの練習現場では、ハンズアップという言葉をよく聞きます。
その名の通り、直訳では「手を挙げる」という意味ですが、ラグビーにおいてはパスを受けたりほうったりするための手の使い方を指すことに使われます。
さて、このハンズアップが現場で何度も強調されるのは、それなりに意味があるからですが、それは一体どんな理由なのでしょうか。
1.ラグビーはボールの扱いにも上手下手がある
ラグビーには、「ノックオン」という特殊な反則があります。
ボールを手ではじくなどして、前に進めてはいけない、というルールですが、たいていの場合適用されるのは、パスやキックを上手く取れず、手に当てて前に落とすときです。
つまり、ラグビーではボールを手に当てて落とすことは反則である以上、素早くかつ確実なボールの扱いを身に着ける必要があるということです。
ハンズアップはそうした概念から出てきているものです。
試合を見ていると、どんな姿勢でパスを受けてもピタッと手に収める選手もいれば、危なっかしいボール扱いで、ノックオンをよくする選手もいます。
手で何かを扱うことは日常生活ではそうそう難しいことはないと思いますが、ラグビーという競技においては、上手な選手と下手な選手が意外にはっきりとわかってしまうのです。
よって、ハンズアップという言葉を使用してその重要性を強調し、技術の上達を促すのです。
2.ハンズアップが具体的に意味すること
ハンズアップという言葉で意味されるものは、普通以下のことを含んでいます。
「パスされたボールを確実に手で受けること」「パスを受けてすぐにボールを離せること」「キックのボールを落とさずに捕球すること」「当たられてもこぼさないように確実に手でボールを確保すること」
基本的にはパスを扱うことを指しているので、そのために手を胸の位置に上げておく必要があるため「ハンズアップ」と言うようです。
3.上達するための一口アドバイス
ハンズアップをしっかりしているのに、よくパスされたボールを手に当てて落としてしまうという人も意外に多くいるのではないでしょうか。
原因は、手でボールを捕らえる前に手のひらに当てて弾いてしまうことが一番多いようです。
従来は、ボールを受ける際に手のひらを正面に向けておくように教えられることがほとんどでしたが、これだと手のひらに当たって弾く可能性も高いようです。
これに代わって、フィンガーフロントという方法を教えるところも増えてきました。
手のひらを正面に向けるのではなく、「前にならえ」をするときのように(もちろん肘は伸ばしている必要はありませんが)、両手のひらを向かい合わせるような形で出すのです。
このとき、指にボールが当たってこぼすことのないように指は軽く伸ばして開き、またボールが手の間を抜けないように、両方の親指を付けておくと安心です。
つまり、ボールを持って前に差し出したときの手の形に近い状態で、パスを受けるということになります。
これだと、手のひらに当ててボールを落とす危険性が低くなると思いますので、試してみてください。
ラグビーの上達には、ハンドリングスキルはとても重要ですから、しっかりと時間を割いて練習してください。