ラグビーでフルバックといえば、バックスの後ろにいて、一人で広い陣地を守っている孤独なポジションといったイメージがあります。
多くは守備的な動きが多いポジションですが、時に、ライン攻撃に参加して決定的な働きをしたり、ロングキックで陣地を挽回したり、攻撃面でも、重要な役割を担っています。
1.最終ライン守備の要
相手のバックスがラインブレイクして、ゴールへ向かう時、最後に守ることができる位置にいるのが、フルバックです。
最近のラグビーでは、ライン攻撃で簡単に突破されることは少なくなってきたとはいえ、フォワードのライン参加などで、ラインの隙間をブレイクして突破してきます。
それを正面で迎え、守るのがフルバックとなるのです。
最終タックラーとしての役割と責任を果たすことになります。
2.ライン参加による攻撃
バックスのライン攻撃ではサインプレーなどで、フルバックが参加することで、人数を余らせ、外側で抜くか、それとも、カットインして抜くかで、ラインブークして裏に抜けることができます。
ゲインライン突破のためのフルバックのライン参加で、決定的な攻撃のコマとしての役割を担うことが多いですね。
フルバックがラインに入った時は、ブラインドサイドのウィングが空いた穴をふさぐために、ポジションチェンジして、フルバックの位置に行かなければなりません。
3.キッカーとしての役割
フルバックは、スタンドオフと同様、比較的プレッシャーを受けない位置にいるため、ゲーム全体を見回すことができますし、密集戦に留まることもあまりありません。
そのため、相手が蹴ってきたボールの処理をしたり、また、キック力を活かして、ロングキックやプレイスキックをしたりする場面も多くなります。
また、自陣深く蹴られたボールの処理に関しては、キャッチングして、タッチキックに逃れる場合もありますし、そのまま、カウンターでラン攻撃に転じることもあります。
ロングキックの精度が上がり、上達して行けば、距離のあるところからのドロップゴールやプレイスキックを狙えるようになります。
4.ゴールラインを守る最後の砦としての役割
ゴールエリアに入ったボールに対しては、相手が迫ってくる中での判断が問われることになります。
インゴールに入ってきたボールに対しては、タッチダウンしてドロップアウトにするか、外に蹴り出してボールデッドにして、同じくドロップアウトにします。
どうしてもゴールラインに入る前に触る必要があった場合は、キャリーバックになっても、得点を防ぐために、ボールデッドにしなければなりません。
また、フェアーキャッチと言って、ロングキックをダイレクトでキャッチすることで、蹴ったポイントまで戻り、フリーキックから試合を再開することができます。
いずれにしても難しい判断をしなければならず、ラグビーの理解力があり、技術が上達していないと務まらないポジションです。
3.まとめ
ラグビーのフルバックは、守備の最終ラインにいるため、まず、そのプレッシャーに耐えられる精神力を持っているかどうかが重要です。
ハンドリング、キャッチングの技術に優れ、タックルも正確で、外すことが無い。
しかも、ライン参加するスピードも必要ですし、キッカーとしての技術も必要です。
また、ゴール前では、冷静な判断が必要です。
オールラウンダーとして、優れた人材であることの証でもある、花形ポジションですね。