ラグビーのバックスは、ボールを廻しながら、ラインで攻撃し、ゲインラインを突破しようとし、守備側は、そのラインを突破されないように防御するという線上の戦いをお互いにやっています。
守備側は、ゲインラインを越えられないように、タックルをして、その線上で防ぐことで、相手の攻撃の勢いを止めることができます。
ライン守備には戦術があるので、それに応じたタックルのやり方を紹介したいと思います。
1.オフサイドをしないため、バックスのラインをずらす
守備ラインを引く際に、スタンドオフは、オフサイドラインよりも1メートル下がって構えるようにします。
インサイドセンターは、スタンドオフのかかとの位置につま先を合わせるように、ずらしてポジションを決めます。
アウトサイドセンター、ウィングも内側の選手のかかとに自分のつま先を合わせて構えるようにします。
このフラットな守備ラインを作ることの利点は、内側のポイントでラインブレイクされても、外側から対応できる間隔が生まれるということと、外から見て、内側の選手の動きが見えると言うことがあります。
2.タックルのポジションは内側から外側へ
基本的に、内から外へ押しだす方向にラインの力を持っていくことで、相手の攻撃を狭め、点や線で捉えるのではなく、面で防ぐ感覚に近づけます。
内側にカットインされることを防ぎながら間合いを詰めて行くのですが、仮に突破された場合は、フランカー、ナンバーエイトがカバーしますし、内側の選手が外側のカバーに回って行きます。
3.プレスをかける
バックスは、ボールが出たら、まず、ダッシュして、相手にプレッシャーをかけます。
ゲインライン、もしくは、2メートル手前で減速して、タックルの準備に入ります。
プレスをかけることで、相手があわててプレイをします。
通常のタイミングよりも早めて次のプレイにかかろうとすることが狙いで、こちらのタックルに入る準備ができるというわけです。
4.相手の攻撃人数が多い場合は対面をずらして対応する
ラグビーのライン攻撃では、フルバックのライン参加や、フォワードのライン参加で、攻撃ラインの人数が多い場合が生じる場合があります。
そうした場合をあらかじめ想定して、内側の守備をフランカーやナンバーエイトに任せて、スタンドオフがインサイドセンターにタックルに入るようにスライドして、全体がスライドして人数を合わせるというやり方があります。
これを「ドリフトディフェンス」と呼ぶのですが、逆に内側から詰めて行って、外側をフルバックが守備に当たるという方法もあります。
これを「つめディフェンス」と呼びます。
通常は、「マークディフェンス」と言って、対面する同じポジション同士がマークして守備をする方法なのですが、攻撃のフェーズが重なるにつれて、内側にディフェンスが集まり、どうしても外側に人数が足りなくなってしまいます。
この人数のズレをどうやって防ぐかがバックスのラインディフェンスのポイントなのです。
チームとしてのタックルの上達は、このラインの統率と戦術によってなされるわけです。
3.まとめ
現代ラグビーは、バックスのライン攻撃による突破が次第に難しくなってきています。
それは、チーム戦術として、ゲインラインで止めるということが徹底されてきて、より厚い守備層の構築がカバーリングできる守備隊形で可能になったからです。
タックルの個人スキルを磨くのと同時に、チームディフェンスとしての力を付けることが、タックルが上達するポイントになります。