タックルは、相手チームの前進を止めボールを奪うために、ボールを持った相手(ボールキャリアー)を倒すことを狙うプレーです。

タックルされた選手は、タックルが成立した後すぐにボールを離さなければなりませんが、タックル成立の条件は「ボールキャリアーがタックラーに掴まれた状態で、足裏と手以外の身体が地面につくこと」と解されます。

つまり、ラグビーにおいてボールキャリアーからボールを奪うには、その選手をタックルして倒すことがほぼ必須です。

しかし、タックルしてもなかなか素直に倒れてくれるわけではありませんね。ここでは、タックルで相手選手を倒すときの「コツ」をご紹介しましょう。


1.しっかり脚を掴む

相手の側面からタックルする「サイドタックル」だと分かりやすいと思いますので、以下これを前提に紹介していきますが、どの方向からタックルしても考え方は同じです。

走っている人の両脚を急に何かで縛り付けられたとすれば、誰でも簡単に転びますね。これを実行するのがタックルだと思ってください。

ボールキャリアーの横からタックルに入り、腰から下、できれば膝の辺りをめがけて当たり、その瞬間に相手の両脚を掴みます。

このとき、できれば自分から遠いほうの脚(相手の左側からタックルに入ったら、相手の右足)を「両手で」掴みにいきましょう。

その脚をがっちりと両手で掴むことができたなら、自分の肩と腕が一本のロープのようになり、相手の両脚を縛り付けた状態になります。

それだけで相手は簡単に倒れるはずで、タックルが上手い選手はたいていこのコツを自分なりに覚えています。

ただ、走っている相手の両足を瞬時にがっちり掴むのはなかなか難しいことでもあります。

自分から遠い方の脚を両手で掴めないと判断したら、まずは片手だけでも掴み、もう片方の手で近い方の脚を掴みましょう。

それも難しいと判断した場合は、近い方の脚を両手で掴みます。大切なのは、まず「掴む」ことです。

なぜなら、相手が倒れても、タックラーが掴んでいない状態だとタックルが成立せず、相手は再び立ってプレーできるからです。

まずは、確実に「掴む」ことを意識しましょう。


2.掴んだ脚を引き付ける

相手の脚を掴んだら、そのまま自分の胸に向けて強く引き付けます。

両脚を掴めた場合はこれで確実に倒せるでしょう。

片脚しか掴めなくても、強く引き付けることで相手は自由が利かなくなり、バランスを失って倒れるか、倒れないまでも前進はできなくなりますので、その間に味方がボールに絡みに行く時間を作ることができます。


3.足を掻く

初心者にありがちなのが、タックルに入ったのはいいのですが、そのまま相手の脚に抱き着いたままになり、相手に引きずられていくような状態になることです。

せっかく相手の脚を掴んでも、これでは意味がありません。

ラグビーのタックルを飛躍的に上達させる隠れたコツは、掴んでからも相手をどんどん押し込むイメージで足を掻くことです。

片脚しか掴めなかった場合でも、片脚を取られた状態で押し込まれれば相手も倒れずに立っていることはかなり難しいはずです。

もし両脚を掴むことができたなら、相手の身体はほぼ自由がない状態ですから、足を掻くほど相手を奥に押し込むことができます。


4.やはり基本は「しっかり当たる」

ここまで「掴むこと」と言ってきましたが、それを成功させる大きな要素は、やはりファーストコンタクトで相手に強く「当たる」ことです。

特にサイドタックルの場合は、ボールキャリアーの横から強く当たれば、勝手に相手の脚が閉じた状態になり、両脚を掴みやすくなります。

コンタクトスポーツであるラグビーでは、タックルを含めほぼすべての技術について「強く確実に当たる」ことが上達を近づけるコツと言えるでしょう。


5.まとめ

しっかり当たる→確実に相手の脚を掴む→相手の脚を強く引き付ける→足を掻いて押し込む

この一連の流れがコツと言えるかもしれません。実戦をイメージしながら、タックルバッグなどで繰り返し練習し、身体に覚えさせてください。