ラグビーでは、敵の陣地のゴールラインを越えたエリア内にボールをグラウンディングすることで得点できます。

これをトライと呼ぶのですが、点数の比率が5点と大きいので、陣取り合戦の中で、この得点を取る戦略を重視します。

ゴールキックは、そのご褒美として付いてくるボーナス得点の権利のようにも思えますが、2点入りますので、ゴールが狙いやすい位置にくるように、トライポイントをできるだけ中央にする工夫をするわけです。


1.トライとゴールの歴史

そもそも、このトライ[・アット・ゴール]という言葉は、かつて、ゴールキックをする機会を得るという意味で使われていたようで、それだけでは得点とはみなされていなかったということがあります。

トライとは、ゴールへの挑戦する権利を得るものとしてとらえられていました。

昔は、トライだけでは得点にはならなかったのです。


2.トライをとるためにやるべきこと


1.連続攻撃をする

攻撃的なラグビーをするために必要なことは、攻撃にリズムをつけ、連続攻撃(フェーズを重ねる)をすることが必要です。

チームのストロングポイントを活用することも勿論ですが、攻撃が単調になると、相手に読まれ、攻撃が通用しなくなってしまいます。

連続攻撃をする中でリズムをつけて、相手の陣形を崩し、そして、モール、ラックに相手FWを集めて、ラインに隙間を作り、そこでラインブレイクして、ゴールに迫るわけです。


2.ゴール前で反則をしない

ゴール前まで迫った中での反則は、ペナルティキックを相手に与え、さらにタッチキックされた地点から相手ボールで試合再開となってしまい、大幅に後退することになるからです。


3. 相手の陣地でプレイすることを心がける

ボールを支配しながらも、なかなか相手陣地の深いところに攻め入ることができない状況では、トライによる得点の可能性が低くなってしまいます。

上達すると、相手陣地でプレイするためのコツを覚えてくるはずです。


3.ルーティンを使ってゴールキックの確率を高める

ゴールキックは個人プレイですし、自分自身との戦いでもあります。

90秒という限られた時間ではありますが、キッカーに与えられた貴重な時間です。

ゴールキックをこれまで、ただ漫然と蹴っていた人は、これからは、蹴る前にチェックポイントを確認して蹴ることで、更に上達するでしょう。

まず、90秒という時間を分けて考えます。

時間を管理し、効率化することがルーティン化するということです。

蹴る時に心に余裕を持たせる意味で、30秒以上前に蹴ることにします。

それまでにすることをチェックします。

1.グラウンドの状態を把握、2.方向と距離を確認、3.ボールのセット、4.始動する位置まで下がる、5.経験値からくる修正点の確認と補正、6.蹴られたボールのイメージの確認。

これらを60秒以内に済ませるのです。

このルーティンを覚えることで、ゴールキックの精度が上がり、上達していきます。


3.まとめ

現代ラグビーでは、ゲーム性重視やプロ化という流れもあり、エンターテイメントとしてのラグビーを志向する中で、トライによる得点に比重を置くようになりました。

このトライとゴールキックの関係が主客逆転することによって、よりエキサイティングなスポーツになっています。

この先、ルール改正で、トライによるポイントが更に上がる可能性もあるのです。

ルーティンという言葉が盛んに言われるようになりましたが、これは、人それぞれ受け止め方、理解の仕方が微妙に違います。

ただ、これは根拠のないジンクスではありません。

普段の練習から、この一連のチェックポイントと動作を関連させて身体に覚えさせることで初めてルーティン化となるのです。