普通のパスに比べて、スクリューパスはスピードも速いし長い距離を飛ばすことができます。

では、キックでも同じことができるのでしょうか?

もちろん、できます。ここでは、スクリューキックについて説明します。


1.パスと同じで「スクリューを意識しない」

スクリューパスのときに、「敢えてスクリューをかけることを意識せず、自然な動作で投げればコツがつかめてくる」というようなことをお話ししました。

実はスクリューキックの場合も同じです。

キックするボールにスクリューを懸けようということばかり意識すると、なかなか上手くいかないばかりか、よくない蹴り方が癖になってしまう可能性もあります。

スクリューキックは、まず正しい蹴り方でキックができるようになることが最低条件です。

スクリューキックを蹴ろうとする前に、きちんとボールに足をミートできているかどうか、そちらを上達させることを意識しましょう。


2.ポイントは「ボールの落とし方」

ラグビーのキックではボールの落とし方が重要ですが、スクリューキックを蹴る場合、同じく落とし方が一番のポイントになります。

どういうことかというと。

手から落とすときの、ボールの「角度」「向き」がうまくできていれば、足にミートさせたときに自然にスクリューがかかるようになるのです。

具体的には次のようなイメージです。

まず、ミートするときは、足首をしっかり伸ばして、つま先までまっすぐになるようにします。

ミートするときのボールは、

(i)足の中心線とボールの縦の中心線が30°くらいの角度で交わるように、ボールの先端が少し内側を向くようにする

(ii)ボールの先端がほんの少しだけ下を向くようにする

つまり、ボールのちょうど真ん中、おなかの部分に、足の甲がフィットするようにミートする、というイメージです。

何度も蹴り込んで、この感じをつかんでみてください。一度コツをつかめば、すぐに上達すると思います。

くれぐれも、スクリューをかけようとするのではなく、足の甲にフィットする蹴り方、位置を探すイメージで練習してください。


3.まとめ

ラグビーの試合でスクリューキックを蹴れるかどうかは、実は試合展開を大きく左右します。

スクリューパスと同じで、飛距離そのものがまったく違ってくるからです。

陣取りゲームの要素が強いラグビーで、キックの飛距離が伸びることは、かなりのアドバンテージになります。

最も飛距離が伸びるのは、45°くらいの角度でキックしたときだと言われますが、上達してくると、その角度すらも自在に操りつつ、スクリューキックを蹴れるようになります。

スクリューを意識するなと言っておきながら、確かにスクリューキックは意識せざるを得ないくらい、ラグビーでは大切な技術です。

難易度は高いですが、ぜひ地道に練習を重ね、上達してほしいと思います。