ラグビーに限らずスポーツチームを訪れると、準備運動にはそれなりの時間をかけて取り組むチームが多い一方で、練習後の運動やケアがおろそかになっているチームもまた多いという現状があります。

練習後のケアは疲労の回復を早めるなどの効果があり、次回行う練習の効用を大きくします。

また同時に怪我の予防にもつながりますので、出来る限り最低限のケアはしてほしいものです。

ここでは、ラグビーの練習後に行うとよいマッサージなどのケアについてお話します。
します。


1.ストレッチは手軽で効果的

34.で練習前の運動としてストレッチの解説をしましたが、ストレッチは練習後にも非常に有効です。

運動によって固くなりつつある筋肉を伸ばし、疲労の原因とされる乳酸の排出を早めてくれる効果があると言われています。

練習の直後だけでなく、寝る前にも行うとより効果的です。


2.マッサージは足と腰を中心に

ラグビーなどスポーツに限らず、日常生活においても疲労がたまりやすいのは足と腰です。

特に腰は、上半身の体重を集中して支えている部位でもあるため、疲労が蓄積してくると椎間板などに圧力がかかり、ヘルニアなどを併発しやすくなります。

よって、マッサージなどで疲労を上手に逃がしたいものです。

これで怪我のリスクが下がり、ラグビーの上達に役立つのであればどんどん取り組みたいですよね。

本来であれば、二人一組でマッサージし合うなど、施術してくれる人がいるのが理想ですが、今回は自分一人でのマッサージについて紹介します。

マッサージの部位は主に以下のようになります。


1.ふくらはぎ

基本的には、身体の末端から中心に向かってマッサージすると良いとされています。

まず、座った状態で足を引き寄せ、両手で足首を掴みます。

親指がふくらはぎ側に来る方がやりやすいでしょう。

足首に近いほうの腱から、親指でグッと押しながら、徐々に膝のほうに移動してきます。

ふくらはぎの膨らんでいるとこの境まで来たらまた足首のほうに戻り、4~5回繰り返していください。

その後、今度は膨らんでいるところを押します。

初めに、ふくらはぎの内側を中心に4~5回、その後外側を同様にマッサージします。

最後に、膝の裏から1~2cmほどふくらはぎ側にある腱を、痛すぎない範囲で押してマッサージしてください。

この部分は疲労があると非常に痛いですが、ほぐすことで痛みが和らぎ、足がとても軽くなったと感じるはずです。


2.前脛骨筋

「すね」の骨の外側にある筋肉です。

こちらは、すねの骨に沿って親指を当て、押しながら、足首から膝に向かって滑らせるようにマッサージします。

この筋肉は意外に見落とされがちですが、疲労がたまると足先の動きが悪くなり、ラグビーの動きの中で言えば転倒したり捻挫したりしやすくなってしまいますので、十分にケアしましょう。


3.大腿四頭筋

太腿の前部の筋肉です。

太腿を両手で掴むようにして、親指を筋肉に当てます。

膝のほうから太腿のほうに向かって、押しながら滑らせるようにマッサージして下さい。

どの部分もまんべんなく、4~5回ほどずつマッサージしましょう。


4.腰部

一人でマッサージするには限界がありますが、座った状態で上半身を起こし、背骨の脇にある脊柱起立筋に親指を当てます。

グッと押しながら、上から下へと少しずつ親指を移動させてください。

筋肉が大きいので、まんべんなく押せるようにしてください。

特にラグビーでは相手と押し合うという、他のスポーツに比べて腰に大きな負荷がかかる行為があるため、よくほぐしておいてほしいものです。


3.まとめ

上では主に下半身と腰のマッサージのみを記載しましたが、その他の部位に関しては、特に一人で行うならば、ストレッチの方が取り組みやすいでしょう。

前回ご紹介したストレッチを参考にしてください。

怪我の予防のことも含め、疲労を上手に回復させるのは、ラグビー上達の秘訣でもあります。

一人でもやれることは意外に多くあるので、気づいた時にはぜひマッサージやストレッチをして疲労回復を早めるようにしてください。