ラグビーにあまり詳しくない人が試合を見ると、今一つどういうスポーツなのかよくわからない、と言われることが多くあります。

それだけ、細かいルールも多くあるのですが、一度全体的な思想を理解してしまえば、そう難しいものではありません。

ここでは、初心者がまず覚えておきたい最低限のルールと思想についておさらいすることにしましょう。

また、フォワードとバックスがそれぞれ覚えておくべき基本的ルールは、24.および29.でも記載し、この後の42.でも反則について解説しているので、併せて参照してください。


1.ボールよりも前にいるプレイヤーはプレーできない

基本的に、練習を経て上達するにつれてルールは自然に分かってくるものですが、分からないと思うことがあったらその都度確認しましょう。

まずは、最も基本的なものから見ていきます。

ラグビーでは、基本的にボールよりも前にいるプレイヤーはプレーに参加できないというルールになっています。

参加できるようになる条件も決まっていて、それがない限りは何もできないのです。

その思想に基づくルールが「オフサイド」で、具体的には以下の通りです。


1.オフサイドライン

スクラム、ラック、モールのセットプレーが行われる時は、ディフェンス側のチームの密集最後尾から5メートルがオフサイドラインになります。

ボールが密集から出る前に、このラインより前に入ってはいけません。

またラインアウトの際、ラインアウトに参加しないプレイヤーは、両チームともラインアウトの中心線から10メートル以上離れなければなりません。


2.キックによるオフサイド

15.でも解説したとおり、味方の選手が前方へボールをキックしたあと、その選手より前にいるプレイヤー(例えばスタンドオフが蹴ったときに前にいるフォワードなど)はオフサイドになります。

ボールが蹴られた瞬間から、「ボールを蹴ったプレイヤー」のいる位置がオフサイドラインになるので、このプレイヤーが動いて前にいるプレイヤーを追い抜かすか、またはボールを蹴ったプレイヤーの後ろにいたプレイヤーがオフサイドになっているプレイヤーを追い抜かせば、オフサイドを解消することができます。


2.ボールを手で前に進めることはできない

ラグビーは、ボールを前に投げずにいかに前進するかと言う、哲学のようなルールに基づくスポーツです。

よって、自分よりも前にボールを投げることや、持っているボールあるいはパスやキックで飛んできたボールを手に当てて前に落とすことも、ルールに反します。

キックでのみ、ボールを前に進めてよいことになっています。


3.得点方法

このシリーズではラグビーのルールで最も基本的な「得点」にはほとんど触れていないので、改めて紹介します。


1.トライ(5点)

言わずと知れた、ラグビーの醍醐味と言えばトライです。

ラグビー発祥の当時は、トライはそのあとのコンバージョンキックを蹴る権利を得るための行為を指しました。

やがて、キックよりもトライを取ること自体に価値を認めようということになっていき、3点、4点、そして今の5点と、少しずつ価値が大きくなっていったのです。


2.コンバージョンキック(2点)

トライしたあと、ボーナスポイントのように与えられるキックで、成功すれば2点入ります。


3.ペナルティキック(3点)

相手チームの反則により試合がペナルティキックで再開されるとき、直接ゴールを狙うことも選択肢として選ぶことができます。

成功すれば3点が入ります。


4.ドロップゴール(3点)

手に持った状態から一度地面にバウンドさせたボールを蹴り、ゴールに入れることができれば3点が認められます。

トライが5点になってからは、難易度の高いドロップゴールを狙うよりもトライを狙いに行った方が良いという判断が多くなり、今ではあまり見ることはできません。


4.まとめ

ラグビーのルールとしては、ボールより後ろにいるプレイヤーだけがプレーに参加できること、手でボールを前に進めてはいけないこと、危険なプレーはしないこと、以上の3つに加え、得点について知っていれば最低限のルールはカバーできます。

ルールを知ることは上達に必須の要素です。

少しずつでいいので、ルールをしっかりと覚えていくようにしましょう。