プレースキックの蹴り方のコツ | ラグビーが上達する練習メニュー

プレースキックとは、コンバージョンキックやペナルティキックなどで、グラウンドに置かれ静止した状態のボールを蹴るキックのことです。

プレースキックを蹴る前は、会場全体が静かになり、観客として見ていても心地良い緊張感があふれていますね。

その静寂の中できれいな放物線を描き忙しく回転するボールは何ともいえない美しさがあり、それを目で追うときの時間は、ラグビーファンにはたまらない瞬間でもあります。

プレイヤーにとっては、そうも言っていられないかもしれませんが。ここでは、プレースキックの蹴り方について見ていきます。

第一に正確さ、第二に飛距離が求められるプレースキックも、重要な要素は他のキックとそう変わるわけではありません。

最後までボールをよく見ること、

無理せず力まない正しいフォームを身に着けること、

ボールの芯にしっかりと足をミートさせること、

ボールを飛ばすだけの筋力をトレーニングで得ること。

こうした要素がそろって、初めて正確で飛距離のあるプレースキックが可能になります。

上に挙げた要素の中で、他のキックと違う部分があるとしたら、それはフォームです。

グラウンドに置いてあるボールを蹴るわけですから、それに合っていて、しかも飛距離を最大化するためには力まず素早く足を振り抜けるようなフォームを身に着ける必要があります。

我流で身に着けてしまうと、悪いフォームが身に着いてしまい、いくら筋力を付けてもボールが飛ばないということにもなってしまいます。

一番良いのは、一流キッカーのプレースキックをビデオに録り、それを見ながら何度も真似をしてみることです。

ラグビーの試合を録画すればプレースキックの瞬間をいろいろな角度で映してくれるはずですし、最近はインターネットでも動画でプレースキックのフォームを公開しているものもあります。

一流キッカーのフォームをじっくり見ていると、思っていたのとは違う部分がたくさんあることも発見できるはずです。

それを見ながら、できれば全身が映る鏡の前で、同じフォームになるように何度も真似して体に覚えさせましょう。

また、自分の蹴るフォームもビデオに録って、チェックしてみると上達がぐっと早くなります。

できれば、前、後ろ、横の3カ所からビデオを録るようにしてください。

ラグビーのキックでは、正確かつ飛距離のあるボールを蹴るためには、何よりボールの芯をとらえることが重要です。

ボールの置き方はキッカーによって様々なので、最もよく力が伝わる場所を自分で探してみてください。

一般的には、ボールを垂直に（あるいはそれに近い角度で）立てる場合、ボールの真ん中より指2本ほど下、やや左よりをミートすると良いとされています（右足で蹴る場合）。

また、最近はゴールの方にボール先端を向け、かなり倒した状態でプレースするキッカーも多いですね。

この場合は手前側のボール先端を足の甲の一番固い部分で蹴るイメージです。

毎回同じフォームで蹴れるか、そしてボールの芯に足をうまく当てられるか、それらに大きく影響するのが、軸足（蹴らない方の足）を置く位置です。

ボールに近すぎても蹴りにくくなりますし、遠すぎればうまく当たりません。

一般的には、蹴る方向に対してボールの真横に軸足のつま先が来るようにし、一足分離れたところに置くイメージですが、自分にとって一番しっくり来る位置を見つけてください。

ラグビーでは、プレースキックの精度が高いキッカーがいるかどうかで得点のチャンスが大きく変わってきます。

それはつまり、勝敗に大きく影響するということです。

キックの飛距離を伸ばすには、お尻からハムストリングス、大腿四頭筋はもちろん、腹筋や背筋などほぼすべての筋力を強化することも大切です。

しかしそれ以上に、足を振り抜くことによるエネルギーを滑らかにボールに伝えることが大切で、そのためには正しいフォームを身に着けることが何よりも優先するとも言えます。

キッカーを志す人は、チームの勝敗の鍵を握っていることを誇りにして、キックの上達に励んでください。