キックの応酬になることも多い近年のラグビーにおいては、バックスだけではなくフォワードも、バックスのフォローに入ってキック処理をしなければならない場面が増えました。
キャッチが上手かどうかが試合展開をガラリと変えることもあります。ここでは、キックキャッチのやり方とコツを見ていきましょう。
1.キックキャッチ
自分の手に当てて前にボールを落としてはいけない(ノックオン)という反則があるラグビーにおいては、確実にボールをキャッチできるかどうかで試合の流れが一気に変わることもあります。
05.でも説明しましたが、もう一度基本をおさらいしましょう。
キャッチで特に注意すべき点は以下の二つです。
(1)ボールの軌道を予測し落下点にすばやく入るが、落下地点より3歩ほど後ろに入ること。
(2)手は捕球の直前まで出さないこと。
(3)脇を絶対に開けないこと。
(1)に関して、初心者はほぼ必ず落下点にぴったり入ろうとしてしまうのですが、楕円形のラグビーボールは空中で軌道が微妙に変わることが多いので、正確に落下点に入るのはむしろ難しいでしょう。
また、早い段階で落下点を決めてしまうと、ボールの軌道が予測と違った時に動きが鈍くなります。
落下点より少し後ろに入ることで、ボールの軌道が予想と比べてぶれたときにも対応しやすいうえ、キャッチ直後にヒットされることがあるため、必ず前を向いた状態でキャッチすることが大切です。
(2)も初心者がよくやってしまう誤りです。
キャッチしようと手を早くから出していると、ボールがぶれたときに体の動きが鈍くなります。
直前まで手を出さず、捕る瞬間にサッと手を出して迎え入れるイメージでよいでしょう。
(3)も基本の中の基本ですが、脇を開けるとボールを落としやすくなります。
反対に脇を軽くしめておきさえすれば、まず下にボールが落ちることはありません。
2.上達のコツ
上の3つのポイントさえ押さえておけば、あとは何度もキャッチする練習を繰り返すのみです。
(2)と(3)は自分で上にボールを投げて落下してきたところをキャッチする、というだけでもかなりコツがつかめてくると思います。
楕円のラグビーボールはがっちりと捕らえることも慣れるまでは難しいですから、捕ったときの感触にもしっかり慣れておきましょう。
(1)はある程度離れたところからボールが飛んでくる方が練習になるので、キックの上手なチームメイトに蹴ってもらったり、互いに蹴り合いながらキャッチの練習をしてみましょう。
3.まとめ
キックキャッチの上達には、地味な練習が最も効果を表します。
繰り返しになりますが、フォワードの選手、特に第3列(フランカー、ナンバーエイト)は頻繁にバックスの代わりにキックの処理に入ることもありますので、自信を持ってキャッチできるようよく練習しておきましょう。