これまで、トレーニングやルールなどについてお話してきましたが、重要な要素についてお話していなかったことに気づきました。

それは、「走るトレーニング」についてです。

ラグビーは、とにかく広いフィールドを走るスポーツで、走力が試合の展開に大きく影響するという要素があります。

よってここでは、ランニングトレーニングをいくつかご紹介したいと思います。


1.短距離走を数多くこなす

ラグビーのランニングトレーニングとしては、チームによって様々なものが採用されていると思いますが、どのチームでも上達には必須のトレーニングを位置づけています。

マラソンのように長距離を走ることも組み込んでいいのですが、基本的には短い距離を何度も走るランニングを実施した方が、実際のラグビーの試合に即したトレーニングとなります。

時間効率という点でも、長距離走よりも短距離走のほうに重点を置いて下さい。


1.ダッシュ

一般的なランニングトレーニングです。

アップの状態によって20メートル、30メートルを1~3本ほど走り、そのあと40メートル、50メートルを数本走ります。

他の練習との兼ね合いで本数は調整してください。

ときどき、100メートルなども入れてみると、独走態勢に入ったときに速度が落ちずに走り切れるでしょう。


2.シャトルランニング

10、20、30、40メートルのそれぞれの地点にマーカーを置き、10メートル地点まで走ったらスタート地点に戻り、次は20メートル、その次は30メートルと、往復するランニングです。

往路も復路もダッシュしてもよいですし、往路だけダッシュで復路はゆっくり戻るのもトレーニングのひとつです。


3.インターバルトレーニング

一定の区間を全力でランニングし、そのあと一定距離をジョギングする、というのを交互に繰り返します。

ランニングの区間は50メートル以上と少し長めにとると良いでしょう。

スピードのトレーニングというよりも、短い距離を何度も走る持久力を付けるものと考えてください。


4.ランパス

ラグビーのランニングではおなじみのランパスです。

横に4~5人並び、パスをしながら走ります。

パスを左右に順番に放るだけでなく、ときどき飛ばしパスをしてみたり、パスした後のフォローやループなどもアドリブでやってみると、変化がついて飽きがこないでしょう。


3.階段や坂道を利用する

ラグビーでは陸上選手のように走ればよいわけでなく、常にタックルやコンタクトに備えたランニングが必要です。

膝がある程度高く上がった状態で走ることが良いとされていますが、それを無意識的に身体にしみこませるためのトレーニングがあります。


1.階段を駆け上がる

神社やお寺の階段を利用してトレーニングするシーンをよくテレビなどで見ると思いますが、意外に有効なランニングトレーニングです。

膝を高く上げることを特に意識しながら、階段を駆け上がってください。


2.坂道を駆け上がる

傾斜にして10~20度程度の比較的急な坂を駆け上がることも、タックルに強いランニングを身に着ける良い練習になります。


3.坂道を駆け下りる

バックスのトレーニングでも紹介しましたが、普通では出せないスピードを経験し筋肉の神経に覚え込ませることで、筋力がもつ潜在的なスピードを引き出すことができます。


4.まとめ

ラグビーには、ラン、パス、キック、コンタクトと様々な要素がありますが、最も鍛えるべき能力であり、努力次第で誰でも高めることができるのがランニングです。

ラグビー選手としての上達という点でも、走れることはすべての基本になります。

技術で負けていてもランニングを続ける体力で上回れば、勝機も見えてくるはずです。

ランニングは辛い練習ですが、勝利のためにぜひ頑張って取り組んでください。