ここでは、スクラムのルールについて見ていきましょう。
1.スクラムになるのはどんなときか
ラグビーでは、試合が中断した場合、スクラム、ラインアウト、キックのいずれかで再開することになります。
ルール上、スクラムで再開するのはどんなときでしょうか。
おおまかにいって、
(i)相手チームが軽い反則犯した時、(ii)ラックやモールでボールが出てこなくなるなどプレーが停止した場合
となります。
軽い反則というのは、ノックオン、スローフォワードやノットストレートなど、どちらかというと自分たちの自滅的なミスによる反則、というものになります。
また、フリーキックやペナルティキックを得たチームがスクラムを選択して再開することもあります。
上達すればするほど、これらの反則で相手にセットプレーを与えてしまうことのもったいなさが分かってきます。
2.スクラムに関するルール
スクラムを行う際に発生する可能性がある反則は、主に以下の通りです。
【アーリーエンゲージ】レフリーの声よりも早くスクラムを組んでしまう反則(相手ボールのフリーキック)。
【オーバータイム】ボールを投入できる状態にあるにも関わらずボール投入しない場合に取られる反則です(相手ボールのフリーキック)。
【コラプシング】故意にスクラムを崩したとみなされる反則で、危険であることから重い反則となっています(相手ボールのペナルティキック)。
【スクラムホイール】90度以上スクラムが回ってしまうと、相手ボールのスクラムになります。
【ニーリング】故意に膝をついたときに取られる反則で、コラプシング同様危険だとみなされるので、相手ボールのペナルティキックになります。
【ノーバインド】スクラムではボールが出る前にバインドを外してはいけないことになっています(相手ボールのペナルティキック)。
また、スクラムハーフがスクラムにボールを入れるとき、中央の線に沿ってまっすぐ入れることが重視されるようになりました。まっすぐ入れないと相手にフリーキックが与えられ、これを繰り返すとペナルティーキックとなります。
白熱してくるとつい注意を怠りがちですが、ペナルティキックに繋がる反則もあるため、これらのルールは熟知し、十分に注意しておきましょう。
3.ラックおよびモールからのスクラム
前述のように、ラックやモールでボールがしばらく出てこない場合、試合を円滑に進めるために、レフェリーの判断でスクラムによる再開が行われます。
これをパイルアップと言います。
ラックでパイルアップとなった場合は、ボールを持ちこんだ方のボールでのスクラムとなり、モールの場合はその逆です。
よって、攻撃しているチームはタックルされた場合、特にそのあとモールで押し込むというプランがない限りは、ラックに持ち込むほうが有利です。
ただし、レフェリーが明らかにラックからボールが出せる状態だと判断すると「ユーズイット」とコールし、そこから5秒以内にボールを出さないと相手ボールのスクラムになりますのでここは注意が必要です。
この辺りへの理解も、ラグビーの上達には欠かせない要素です。
よく理解しておきましょう。
4.まとめ
ラグビーのルールは、他のスポーツに比べると少し複雑なのは否めません。
しかし、他に類を見ないほどの激しさが魅力である以上、その激しさが危険にならないようにルールを規定するのは必要なことでもあります。
理にかなったルールですから、慣れてくれば覚えるのもそう難しくはありません。
ルールを熟知すれば試合運びも上達しますので、ぜひよく勉強しておきましょう。