フォワード第三列、スクラムでは左右のサイドを固めているのが、フランカーです。
ナンバーエイトと同じように、フォワードとしてのパワーと、バックス並みの走力が求められます。
背番号6番と7番です。今回は、フランカーの役割について見ていきましょう。
1.フランカーのスクラムでの役割
ラグビーのスクラムは、事実上第一列と第二列で押しているわけですが、フランカーは料プロップを後ろから補完的に押す格好になります。
あくまでサポート的な押し方ですが、これが上手なフランカーだと、プロップはかなり楽になります。
特に、プロップにとってみれば内側のロックからはかなりしっかりと押されることになるので、外側のフランカーの押しがあまりにも弱いと、スクラムのバランスがとりにくくなり、押し込まれる要因にもなります。
ナンバーエイトと同じく、マイボールスクラムであれば、ボールを出した後に素早くスクラムをブレークしてサポートに走りますし、相手ボールスクラムでは、相手のサイドアタックに備え、またバックスにボールが回ればすぐにカバーディフェンスに走ります。
2.ディフェンスが重要
フランカーは様々な攻撃を展開するための機動力が求められますが、それ以上に、守備の能力が欠かせないと言われます。
スクラムではナンバーエイトやスクラムハーフのサイドアタック、ラックやモールではポイントに近い位置での相手フォワードのサイドアタックなどに対応する必要があるうえ、サイドアタックで内側を抜けられるとカバーが薄いので確実にボールキャリアーを仕留められる高いタックルの精度も求められます。
特に左に位置するフランカーは、スクラムからの相手ナンバーエイトのサイドアタックを封じる必要があることから、特にタックルの技術に秀でている必要があります。
3.バックスのようにも動く
今のラグビーにおいては、フォワードもバックスラインに入ったりバックスがモールやラックに積極的に入ったりと、フォワードとバックスの垣根を越えた戦い方が浸透していますが、特にフランカー、ナンバーエイトはバックス並みの走力を期待されます。
バックスラインの展開をフォローするためだけでなく、バックスラインに入って数的優位を作ったり、あるいはキックの処理をバックスの代わりにおこなう技術を上達させれば、使える戦術も幅広くなるわけです。
4.花形の第三列
フランカーやナンバーエイトはあらゆる局面で活躍の場があり、また目立つことも多いポジションですから、ラグビーの中では花形のポジションと言っていいでしょう。
かつては左と右で固定した起用が多かったフランカーですが、今では広いスペースを担当するオープンサイドフランカーと、狭いスペースを担うブラインドサイドフランカーと分けて担当するのが一般的になってきました。
オープンサイドのフランカーは、フェッチャー(Fetcher)つまりボールを獲ってくる人、とも呼ばれています。
ただし花形で目立つ活躍を期待されている分、体力的にも技術的にも、また精神的にも、他人より努力を重ねる必要があります。
オールラウンドで活躍するわけですから、体力と精神の消耗も特に激しくなります。
華やかさだけにとらわれず、地道で基礎的な練習ほど大切にして、良いプレーをたくさんして目立てるように、日々上達してほしいと思います。
5.まとめ
ナンバーエイトと同様にスーパーマンであることが求められているようなポジションですが、ナンバーエイトのように全体の司令塔のような役割は薄いです。
その代わりに、ナンバーエイト以上にタックルに優れ、攻撃でもより勇猛果敢に、敵にとって脅威の存在にならなければなりません。
ラグビーの花形ポジションを担うプライドを持って、練習を重ねてください。