クイックスローとは、相手がキックしたボールがタッチラインを割るか、あるいは相手チームのプレイヤーがボールを持ったままタッチライン外に出た場合、スロワーはラインアウトの形成を待たずにボールを投げ入れてよいというルールです。
効果的に使うと、戦略の幅が広がり、相手にも動揺を与えることができます。
1.クイックスローのやり方
ラグビーでは、相手チームのプレイヤーがボールを持ったまま、あるいはボールをキックしてタッチラインを割った場合、ラインアウトで試合を再開しますが、前述の通りラインアウトを形成せずにボールを投げ入れることができます。
クイックスローの基本は簡単で、ボールがタッチを割った場所から自陣側であれば、どの位置にでも投げ入れられます。
ただし、その位置に味方のプレイヤーがいることが前提です。
もちろん、クイックスローをする場合は自陣側に味方はごく少数しかいません。
ボールを受け取った味方プレイヤーが早い段階でタックルされるとフォローする味方がいない状況になりますので、味方プレイヤーが十分な突破力があるか、キックを蹴り返すなどの対応が必要です。
また、33.の記事で紹介したように、相手のキックがダイレクトタッチになった場合は、キックした地点まで戻ってクイックスローをしてよいことになりました。
なお、いずれの場合でもラグビーでは自分より前方にパスは投げられないという点は変わりませんので、スロワーは自分よりも自陣側にボールを入れなければならないのは言うまでもありません。
なお、タッチキックを蹴った側のチームのプレイヤーで、キッカーより後ろにいる選手、かつボールが出るタッチラインに近いプレイヤーは、必ずタッチラインを割ったボールをきちんと追いかけて、クイックスローをさせないようにすることも大切ですので、覚えておきましょう。
2.クイックスローにおける反則
クイックスローには、タッチに出した側のチームについて反則が設定されています。
あまり直面する機会はないかもしれませんが、うっかり反則を取られては元も子もありませんから、そう難しいことでもありませんので頭の面での上達としてよく覚えておきましょう。
(i)ボールを持ってタッチ外に出たプレイヤーは、相手がクイックスローできるように、ボールをすぐに離さなければなりません。
違反すると、15メートルライン上から相手のペナルティキックとなります。
ラグビーでは、敵陣内であれば15メートルライン上からのペナルティゴールは比較的狙いやすい角度と言えますので、意外に重い反則ということになってしまいます。
(ii)相手がクイックスローをしようとする場合、5メートルラインよりもタッチに近い側に入ってスローインの邪魔をしてはいけません。
同じく15メートルライン上から相手のペナルティキックになります。
3.まとめ
クイックスローは両刃の剣のようなものですが、上手く使うととても効果的な攻め方をすることが可能です。
また、ダイレクトタッチの際にキック地点まで戻ってクイックスローができるようになったのは、実験的ではありますがかなり大きな変更点でしょう。
ラグビーの総合力を上達させる点では、こうした変更点を常にチェックし、それに見合った新たな攻め方を考えることも必要です。