ラグビーでは、相手の反則によって、ペナルティキックを貰うことが多くあります。
地域によって、違いますが、相手陣内ならば、ゴール前のタッチを狙って、ラインアウトからの攻撃への布石とします。
自陣の場合は、危機回避策として、センター近くまで押し戻すタッチを狙って、そこから攻撃を考えます。
1.相手陣地でタッチを狙う
特に、ゴール前で相手が反則を犯し、ペナルティキックを与えられた時に、ゴールを狙わずに、敢えてタッチを狙う選択をする意味は、トライを取りに行くということになります。
ラグビーでは、トライが5点。その後のコンバージョンキックで決まれば、さらに2点追加されます。
ペナルティキックでゴールすれば3点なのですが、トライとコンバージョンキックで7点入ることを考えると、その可能性にチャレンジすることの意義が大きいと判断した時に、タッチキックという選択になるわけです。
2.自陣からタッチを狙う
一方、自陣に攻め込まれ、相手が犯した反則によってペナルティキックを与えられた場合は、一旦、危機を回避するために、タッチキックを選択することが多いわけです。
ペナルティキックのタッチキックは、必ずタッチを割らないと意味がありません。
攻撃権は、タッチを割ることで、初めて与えられるからです。
自陣ではあっても、マイボールで攻撃が始まります。
自陣のラインアウトからの攻撃で注意することは、ポゼッション(支配)とテリトリー(地域)のどちらを優先させるかです。
22メートルを越えて攻め込まれた場合は、テリトリー重視で良いのですが、それを抜けた場合は、ポゼッションを重視し、繋ぐラグビーをする方が、攻撃のリズムを良い方向に向かわせることができます。
3.タッチキックの種類
今までは、スクリューキックで蹴るのが普通でしたが、最近は、パントキックの要領で、ボールの底の硬い部分を蹴るやり方も多くなってきました。
確実に狙ったところに飛ばすためには、この蹴り方の方が良いという考えです。
スクリューキックの利点は、ボールに回転をかけることで、風の影響を受けず、距離が出せるという点です。
しかし、回転に気を取られ過ぎると、ボールの中心を外してしまい、タッチできない場合もあるので、注意が必要です。
タッチキック上達のカギは、この2種類の蹴り方をマスターし、使い分けることにあります。
3.まとめ
現代のラグビーでは、ゴール前で得られたペナルティキックは、ほとんどが、タッチキックをして、そこからマイボールのラインアウトになります。
そして、ボールをキャッチして、モールを作り、ドライビングモールでトライを狙うという流れが一般的です。
この攻撃パターンが有効なのは、仮にそのモールが潰れた場合でも、ゴール前の攻防で、プレッシャーを受けた相手が、再びオフサイドやオフザゲート、オブストラクション等々の反則を犯す可能性が高いからです。
ただし、その連続攻撃(フェーズ)の間に、自分たちが反則を犯してしまったら、その瞬間、相手ボールに移ってしまいます。
上達してくると、レフリーのアドバンテージのサインを見ながら、飛ばしパスや、キックパスなどを用いて、トライを狙うようになります。