ラグビーでは、ゴールキックを狙う時は、トライしたポイントから垂直に引いた線上からコンバージョンキックをします。
キッカーは、距離と角度をグラウンドの状況から、ベストな位置を選びます。
ラグビーでは、制限時間90秒以内にコンバージョンキックをしなければならない、という制約もありますので、普段から状況に応じたキックの位置を考えて置いても良いかと思います。
1.センター周辺にトライした場合
ほぼ正面からのキックですから、できるだけ近くから蹴りたいですね。
ただし、コンバージョンキックの始動から相手のチャージが来るので、モーションを小さくする必要があります。
距離は、大体、10メートルの位置で良いのではないでしょうか?
ボールをキックティーに乗せて、ボールの下腹が効き足の甲に乗るように、手前に傾ける蹴り方の方が良いと思います。
チャージが来ることを考えると、角度は、上に上がるようにしてください。
距離がある時は、ボールをセットして、ある程度時間をかけて、集中を高める必要がありますが、センター付近のキックならば、その必要はありません。
ボールをセットしたら、すぐに蹴ることを心がけて下さい。
2.コーナーフラッグ近くにトライした場合
1.短い距離を優先し、角度が無い時の蹴り方
この位置からキックポイントを決めるのは、難しいですね。
多くの人は、30度~45度くらいまで引いてきたところの位置に設定しますが、キック力に自信が無い人は、22メートルライン付近の角度が多少きつくても、届く距離の位置に設定した方が良いでしょう。
ボールの蹴り方ですが、この場合、距離を短くして、より精度を高めるためには、ボールの底の硬い部分を手前にし、クロスバーの方向に上向きにボールを置きます。
このやり方は、ハイパントと同様に、ボールの一番硬い部分を足の甲に当てて、押しだします。
距離は、20メートルほどならコントロールできます。
2.長い距離でも、角度を緩くしたい時の蹴り方
キック力に自信があり、30メートル以上あってもコントロールすることが得意な人は、10メートルラインまで下がって、キックポイントを設定しても良いでしょう。
その場合のキックは、ボールを少し手前に傾けて、ボールの中心よりもやや下の部分を足の甲で蹴る、インステップキックの要領で行います。
この蹴り方は、楕円球ではあっても、丸い球という感覚でサッカーボールに見立てて、蹴ります。
ですから、軌道がぶれず、綺麗に、縦回転で飛んでいきます。
何よりも距離が出るので、ロングキッカーに向いています。
3.まとめ
この2つのキックを使い分けるようになることが、上達への道になります。
特に、グラウンドの状態が、試合に寄って変わるわけで、天候によっても、また、芝の状態によっても、変わってきます。
そうした要因によって変化するグラウンドコンディションに柔軟に対応するためにも、2種類のキックを覚えておく必要があります。