ラグビーはフォワードとバックスという大まかな分類があり、求められる役割も区別することができます。
基本的には、フォワードはパワーを必要とする場面が多く、バックスはスピードが必要とされるわけですが、現代のラグビーでは、特にプレーが流れている間は両者の間に明確な区別はなくなってきているとも言えるでしょう。
とはいえ、フォワードにはスクラム、ラインアウトといった特殊なシーンがつきものですので、それに対応した筋トレもこなさなければなりません。
では、フォワードのプレイヤーは主にどんなトレーニングをしておけばよいでしょうか。
1.まずは「押す力」
ラグビーはボールを力ずくで奪い合うスポーツです。
したがって、その主な場面であるスクラム、ラック、モールで勝てるか否かが、ボール支配率に大きく関わってきます。
これらのシーンは相手を押すという要素が基礎にあるため、上達するうえではそのための力を付けることが重要です。
爆発的な下半身の力、それを効果的に伝える体幹の力、さらには相手と衝突を繰り返すに堪える上半身の力、フォワードは全てを鍛えなければなりません。
ステップの項で紹介したスクワット、ランジなどの種目や、基礎的トレーニングとして行われるベンチプレスなどのトレーニング以外では、以下の筋トレなどが良いでしょう。
デッドリフト
重めのバーベルを地面に置き、その前に肩幅より少し広く足を開いて立ちます。
ハーフスクワット程度に腰を落とし、腰から上半身まで背中を真っ直ぐに保ったまま、地面のバーベルを掴んで、上半身を起こします。
主に、下半身と背筋にかけて鍛えることができます。
ハイクリーン
上記のデッドリフトに似た姿勢から始めますが、バーベルは軽めにして、地面に置かず膝くらいで保持します。
上半身を一気に起こしながら、バーベルを頭の上まで持ち上げます。
全身のパワーを爆発的に発揮するためのトレーニングです。
ショルダープレス
バーベルを頭の後ろで方に載せます。
肩幅より少し広く幅をとってバーベルを持ち、頭の上に持ち上げます。
バーベルを耳の高さまで下げ、再び頭の上に持ち上げることを繰り返します。
肩周りの筋肉(僧帽筋、三角筋、広背筋など)を鍛える筋トレです。
他にも、スクラムマシーンを押す筋トレなどが考えられます。
2.胸と腕回り
ラグビーのフォワードは短い距離でタックルする機会が多く、どちらかというとヒットそのものよりも相手やボールに絡んで離さないという技術も求められます。
その際に、大胸筋や腕の筋肉を鍛えておくと有利です。
例えば、バタフライプレス(大胸筋)、アームカール(上腕二頭筋)、ラットプルダウン(広背筋)、ロウイング(背筋)などの筋トレをしておくと、相手をホールドするパワーが身に着いてきます。
3.まとめ
ラグビーのフォワードは、全身をくまなく鍛えることが必要です。
言い換えると、フォワードとして上達を早めるには、筋トレをいかに効率的に行うかということが大きな意味を持つということでもあります。
しかし、ただ単に鍛えるだけでは意味が無く、実戦で「使える」ようにしておかねばなりません。
したがって、ウェイトトレーニング以外にも、日々の動きの中で筋肉を鍛えられるようなメニューを組むことも考えましょう。
また、強豪チームなどと合同練習を行ったり、強豪チームが取り入れている筋トレを参考にするのも大変良いことです。